2010年12月24日 担当テク
私たちは自分の命を維持するためには、残念ながら他の命を奪わなければ生きていけません。しかしその奪われる命にどれほどの人が日々感謝して食事をしているでしょうか。
私たちの体は自分の体でありながら自分の体ではなく、体の記憶もっと言えば脳の記憶は代々の先祖の人たちの積み重なった記憶をお母さんとお父さんから引き継ぎその記憶を元に新たな記憶を積み重ねています。しかもこの記憶はこの地球に生命体が発生以来母方のミトコンドリアにより途切れることなく継続されているのです。縄文時代の後期から、私たち日本人はお米を飽きもせず、おいしいといって食べ続けています。これなどは日本人の祖先が狩猟採取生活から初めて定住して栽培されたお米を食べた時のおいしさの記憶にほかなりませんし、この初めて食べるお米のおいしさに対する感動は、現代の私たちには想像もできない感動だったと思います。私たちの記憶は現代に私たちが生まれてから蓄積した記憶だけではなく、ましてや生きていく基本の知識や知恵は自分が培ったものではなく、先祖代々の人たちの記憶を頂いているのです。
私たちの体は食べたものの栄養が単に塊としての肉体を作っているのではなく、頂いた命の記憶も頂いているのです。ですから私たちが暑い地方のバナナを冬に食べると体が冷えて、特に女性は生理不順になったりするのは、私たちの食べた命の記憶からきているわけです。
よって、私たちの体は、頂いた命は私たち個々の体という形に変えて転生しているのです。私たちが生きていると実感するのも記憶を含め命が転生していると言えます。転生する命を頂くという事は、頂く命全てを頂く事ですから、健康も不健康も全て頂く事でもあります。病気の命を頂けば知らず知らずのうちに体のどこかが不調になって行きます。
私たちの食べ物の大半は栽培もしくは飼育されたものです。野生の植物や動物は自分が生育するもっとも適正な場所や季節を選び、もっとも健康に生育できる環境を選択していますが、栽培、飼育されている作物や家畜はそれが出来ません。栽培、飼育する農業者が命の転生を忘れ、金儲けだけに走り生産効率を上げようとすれば、必ずその反動が作物や家畜に病気として表れます。台風で倒れる作物や松くい虫にやられる木、病気にかかる野菜、BSE,新型インフルエンザ、口蹄疫など今起こっている様々な作物被害や病気はその事を如実に表しています。
作物や家畜は好んでその環境を選んではおらず、人間の欲がそうしているに過ぎません、その反動は天に唾するがごとく唾は自分の顔に降りかかるのです。
ですから、私たちの食べ物として命を差し出してくれる命ある者たちを栽培、飼育するという事は自分の命を育んでいる事にもなるのです。作物や家畜の気持ちを無視した生産効率一辺倒では人間の健康も保障されなくなります。
私たちは本当の食べ物と言うとき、奪う命が自らの命に転生することを考え栽培飼育する事が求められます。
作物は外部から化学肥料や農薬を投入しなくても、土壌にミネラルが豊富にあれば土壌微生物は無限大に繁殖し作物自らの光合成能力と相まって病気に負けず健康に育ちます、そして豊かな実をたわわに実らせてくれますし、家畜も幼獣のころから高栄養に育てると内臓疾患にかかった家畜に育ってしまいます。肉体を作るのは健康な内臓がなければ健康な肉体には育ちません、日本の家畜の屠場での内臓廃棄率が80%と言う数字はそのことを如実に証明しています。化学肥料や農薬、高栄養飼料を多投し生産効率を上げようとしても、昔から適期、適地、適作と言われるように作物も家畜も命を頂く時期というものがあり、気候風土に合わせ栽培、飼育が求められるのです。それを無視した栽培、飼育は必ず反動があり、その結果農薬の多投や薬の多投が始まり命のフィールドである環境までも汚染してしまいます。
私たちが食肉生産をするに当たり、今まで述べてきたことを現場で具現化しながら家畜飼養をしています。家畜飼料について言うと家畜飼料と人間の食べ物が競合しないことが基本にあります。家畜飼料生産のため畑を使うことはできる限り避け、農業残渣物を基本的に使用する、例えば菜種を生産し食用油を搾り、絞り粕を飼料として使用したり、規格品外の小麦や豆を使用し人間の食べ物とは競合させないように考えること、遺伝子の記憶から飼料原料は極力自前で地産地消に心懸け、それが無理な場合は北海道産、次は国産、最悪輸入と言う順番に考えます、現在の飼料国産化率は90%(内北海道産率は90%)、牧草自給率は100%になっています。
BSEが発生したとき配合飼料に肉骨粉が入っていたことが多くの農業者は知りませんでした。この事からも飼料原料は自前で調達し、飼料設計も自分たちで行うことにより、飼料の中身をしっかり把握するということを常に意識しています。
近代畜産から比べて出荷時期が長くなっても穀物中心の高カロリー高タンパクの飼料にはせず、良質な繊維質飼料を多給することにより、肉のしまりの良い肉に仕上げる。
牛については去勢、徐角はせず雄牛本来の生理を乱さない飼育をし、無駄な脂をつけない赤身肉生産の飼育を行う。
豚について豚は汗腺が退化している為体温調節を体に付着した脂で行うため、体に脂を乗せることを基本にし、脂も飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランスをとるため出来るだけ早い時期から放牧を行うことにより、冷凍しても脂は割れなくなります。
豚、北海道黒牛は自家繁殖なので、子豚、仔牛の免疫力を高めるため母乳をしっかり飲ませ免疫力を高め、病気にかからない家畜に育ちます。
以上のようなことにこだわりながら、極力家畜にストレスを与えない飼養をし、健康な家畜から頂いたお肉を、皆様にお届けするように努めています。ちなみに私は農場以外では肉は極力食べません。
2010年12月24日 担当テク
生き物の健康は健康な内臓から作られることは言うまでもありません。いかに健全な飼料や水、環境を整えて飼育するかにかかっています。残留農薬があったり、計算上栄養価があっても高カロリー、高蛋白で家畜の生理を無視した食べ物を与えていたのでは不健康になることは間違いありません。結局内臓に負担がかかったり、繁殖障害を起こしたりと様々な障害を引き起こすことになります。
こういった点で、輸入穀物に頼らず国内産のもので(地産地消の考え方は家畜の食べ物にもしっかり当てはまる)、農場産の有機牧草、北海道産の農業残渣物を中心にした飼料を発酵させて食べさせています。飼育環境についても牛舎も豚舎も独特の臭いはびっくりするほど少ないです。ですから、牛も豚もどちらも臭みの少ないとてもきれいなみごとな内臓をしています。特に牛の肝臓はお勧めです。豚の肝臓は残念ながら、放牧していることと、床を発酵床にしているので、どうしても土や床をほじくり返して食べることから、寄生虫が入っていわゆる寄生肝といって廃棄されるものが出ています。駆虫剤を投与しますがなかなか駆除できないでいます。殺菌剤を撒いたり、放牧をやめたりすれば解決しますが、それはしたくないところです。堆肥化する時に発酵熱が70度以上まで上げることが出来れば寄生虫の卵は死滅するので、その方向で解決の道を探りたいと考えています。
いずれにしても、どこに出しても恥ずかしくない内臓肉です。
2010年12月24日 担当テク
多くの放牧豚と言われる放牧地は草木が豚に食い荒らされ土の肌がむき出しになっているところが多いのですが、興農ファームの放牧地は牧草が生い茂った草地が放牧地になっています。草がなくなると別の牧草が生い茂った草地に移動します。
生まれた子豚はお母さん豚の母乳をおなか一杯28日間授乳し、お母さんから免疫抗体をもらい、免疫力の強い子豚に育てます。一般の養豚からすると授乳期間は長く母豚の出産回転率は悪くなりますが、健康な豚に育てる大事なスタートですからこの授乳期間は大事にしています。
離乳後10キロの体重になるまで固形物の飼料に馴らし十分に消化吸収ができるようになり外気温にも耐えられるようになったら、放牧の準備として豚舎に併設されたバドック(運動場)との出入りを自由にし外気温に馴らせます。豚は汗腺が退化して自らの体温調節がうまくできず、それを調整するため体に付着した脂肪がその役目を果たします。ですから豚の体には温度に敏感な不飽和脂肪酸(固まらない油)と温度に敏感でない飽和脂肪酸(固まる脂)のバランスが重要になります、これは内と外の温度差により豚自らが食べたエサから蓄積しますので温度差を必要とします。
外気温にも馴れ体重が30キロを超えるといよいよ本格的に草地での放牧が始まります、豚は草食性動物かと目を疑うほど草が大好きで草地の草や雑草地の雑草を見る間に、まさに根こそぎ食べてしまいペンペン草も生えない裸地になってしまいます、この草地は豚が鼻で草地の根っこを起こして食べますので豚の鼻で畑が起こされここは翌年作物栽培の畑に変身します。
7ヶ月齢?8ヶ月齢の出荷まで放牧され、十分に植物繊維を取り入れた体は内臓を健康にし、お母さんからもらった免疫抗体を基礎に自ら免疫抗体を強化し病気に強いたくましい豚として育ちます。出荷まで病気はほとんどなく、伝染病にも罹患しません。
このように育てられた豚は屠場の人も驚くほど内臓がきれいで、廃棄になるものはありません、またこの豚の脂は、ほのかに甘い香りがして本当においしい豚肉に仕上がります、一度是非お召し上がりください。
2010年12月14日 担当テク
興農ファームの加工品
加工品には、豚肉の加工品のソーセージやハム等と手作りのコロッケ・ミンチカツ・ハンバーグがあります。
ハム・ソーセージは、農場から約400km離れた、今回ノーベル化学賞を受賞された鈴木章さんが生まれた鵡川というところにある、むかわソーセージ工房で作ってもらっています。温屠体製法と言って、屠殺直後のお肉がまだ温かいうちに練り込んでベースになる生地を作ってしまいます。暖かいうちに練り込むと肉自体に粘りが出るので、結着材を全く必要としないのです。代表の伊藤さんがドイツに行って学んでこられた製法です。ですから、結着材なしのポーク100%のソーセージなのです。粗引きとかバジル、北海道に自生している行者ニンニク等を入れたバリエーションがあります。香辛料も自然塩や四国の和三盆糖など選りすぐったものを使用しています。美味間違いなしで、好評をいただいてます。
コロッケ・ミンチカツ・ハンバーグは、使用するじゃがいも・玉ねぎはすべて有機栽培のものを使用し、衣も原料を吟味して国産の小麦でできたパン粉、秋川牧園の全卵等今現在の国内で入手できる最良質のものを使用しています。もちろん牛肉・豚肉は農場産のもので、敷地内にある加工場でまさにひとつひとつ手作りで製造しています。
2010年12月14日 担当テク
北海道黒牛(興農アンガス牛)
全くの赤身ではなく、若干脂肪交雑の入った風味のあるお肉です。通年放牧しているアンガスの母牛から生まれた雄子牛をやはり去勢しないで肥育しています。8ヶ月齢位まで母さん牛と一緒に母乳をたっぷり飲んで放牧地で大きくなります。春に生まれて秋に母さん牛と離れて牛舎で育てていきます。化学肥料とも農薬とも無縁な牧草だけをたっぷり食べて大きくなるので、より健康的で気持ちもおおらかな牛のような気がします。牛舎に収容してからは穀物飼料を与えますが、生涯で食べる穀物飼料はホルスタイン種の約4分の1です。牧草だけで充分太っていける種類なのです。興農牛(YBB)より更に自然体で育っています。もともと小さく生まれるので肥育仕上げまで20ヶ月以上かかっています。
妊娠期間中からずっと有機牧草で育っているので、これぞ至高のお肉と言えるかもしれません。やはり美味しい。今のところ年間で20頭?25頭の出荷ですのでお早めにご注文ください。